どんな研究室?

1.研究テーマ

  • デザインの指針開発
  • デザインの定量的な評価

1つめのテーマは「人間や人間を取り巻く環境をよく理解してデザインを考えよう!」です.デザインを利用するのは人間なので,良いデザインを考えるためには,人間の心理,身体の構造,ライフスタイル,社会の仕組み,文化による違い,テクノロジーの発展,時代の変化を知っている必要があります.そうでないと,見た目はいいけれど使いづらいとか,作ったものの値段が高くて使ってもらえない,外国では理解してもらえない,時代遅れなどの問題が発生します.

2つめのテーマは「デザインを”なんとなく”ではなく科学的に評価しよう!」です.例えば,製品を手に取ったときの「使いにくいなぁ」といった感覚は使っているその人にしかわかりませんが,「使いやすさ」を数字に変換することができれば,誰もが納得できるし,どちらのデザインがいいかを簡単に比較することもできます.私のゼミではこれまでデザインの世界で感覚的に語られてきた使いやすさ,わかりやすさ,安全性,快適性などを実験的手法により定量化し,科学的な根拠に基づいて考察することをテーマにしています.

2016年度から新しくできた研究室なので,卒業研究はこれからになりますが,例えば次のような研究テーマが考えられます.

  • どんな化粧品パッケージだと女性のテンションは上がる?
    • 色々なパッケージを見せて体の状態を測定する(ドキドキ・発汗など生理指標を利用)
    • 心の状態を測定する(リッカートスケールなど心理尺度を利用)
  • ヒール靴を履くと本当に疲れる?
    • ヒール靴を履きなれた人・履きなれていない人に歩いてもらって力の入り具合を計測する(筋電計を利用)
    • 動きの特徴を解析する(モーションキャプチャを利用)
  • 子どもが安全に遊べる公園は?
    • 過去の事故事例を分析する(なぜなぜ分析を利用)
    • 再現実験によって転落時の衝撃を計測する(加速度計を利用)
  • 店頭にどの商品を置けばお客さんが足を止めてくれる?
    • お客さんの視線の動きを測定する(アイカメラを利用)
    • お客さんに直接聞く(テキストマイングやKJ法を利用)

2.研究のベースとなる学問領域

  • 心理学(認知心理学,実験心理学,学習心理学,社会心理学,産業組織心理学など)
  • 人間工学
  • 感性工学
  • 経営工学
  • 教育工学

3.研究キーワード

  • ユニバーサルデザイン
  • ユーザーエクスペリエンス
  • インタフェース
  • 高齢者
  • 子ども
  • ライフスタイル
  • 比較文化
  • 伝統文化
  • ファッション
  • メイク
  • インテリア
  • 購買行動
  • 広告
  • ヒューマンエラー
  • 産業安全
  • リスク

主なものを挙げましたが,人間が絡むものはほとんどが研究対象です.


4.ゼミの様子

2016年にできた研究室で,2017年10月現在,教員1名と4年世6名と3年生13名で活動をしています.過去の記事を遡ってもらえば様子がわかると思いますが,グループ実験や飲み会などワイワイ楽しくやっています.

3年生のうちは,ゼミ活動を通じて少しずつ研究スキルを身につけ,卒業研究に向けた準備を進めていきます.基本的にはグループワークです.調べたいテーマを考える→機材の使い方を勉強したり,調査や実験に必要なものを準備する→調査や実験をする→得られたデータを整理して分析する→結果から言えることを考察する→レポートにまとめる,といった流れです.これを年間3〜5回くらい行います.正しい文章の書き方や効果的なプレゼンの仕方なども勉強します.研究のノウハウは専門書を読むだけでは十分に理解できない部分も多いので,実際に手を動かして失敗を経験したり,課題を見つけたりすることを大切にしています.他にも,街に出て調べ物をしたり,職人に話を聞きに行ったりすることもあります.

4年生になったら,各自興味のあるテーマを元に卒業研究を行います.

みんなで協力しあったり,切磋琢磨したりできる環境をつくり,デザインについてアカデミックな視点で考えられる人材の育成を目指しています.